発想力・企画力アップのための「創造学夜塾」~学生の主体性を引き出す方法の模索(3)

この夜塾は、大学で通常授業とは別に、18時30分から2時間、4夜連続で実施した学生のためのワークショップである。1年、2年の希望者を募集し、定員12人とした。私は以前から、学生の発想力に不足を感じることが多かった。「学生の新鮮なアイディア募集」といったイベントが行われても、ほとんど「新鮮」なものは出てこない。常識にとらわれていて、独自の発想を持ち合わせていないという印象を強く持った。そこで、新しい発想を生むための訓練のようなワークショップを思い立った。以下に、その中から「多面的発想」の2つのプログラムを紹介するものである。 WSの冒頭でまず、全員に異なる帽子やウィッグを配布した。そして、その名 […]

「私が勝手に信奉する群馬文化人、小栗康平監督」~映画に関する腑に落ちる話(6)

群馬県が人口200万人になることを記念して、当時の小寺弘之知事が4億円の製作資金を用意した。監督は前橋市出身の小栗康平氏、内容については一切口を出さない約束だった。こんなことは、後にも先にも今回だけだ。知事の慧眼に頭が下がる。96年「眠る男」が完成した。主演が役所広司、眠る男が韓国で最も著名な俳優の安聖基(アン・ソンギ)、ワキにインドネシアの大女優クリスティン・ハキムを配している。 東京では岩波ホールで26週ロングラン上映を果たした。東京では、混雑を予想されたため、私は実家の館林に帰り、「上映協力券」で行くことにした。群馬県人は600円である。翌日、前橋の老舗本屋である煥乎堂ホールに向かった。 […]

「怪しいガラパゴスと麗しいイグアナ」~世界を感じる事実の断片(3)

12年夏、チリ・アントファガスタ大学との連携協定打ち合わせに行ったついでに、イースター島、ペルー、エクアドル、ガラパゴス諸島を廻った。今回は、その行程の中の、エクアドルのグアヤキルとガラパゴスについて書く。「プレゼン・エピソード集」へのホンダさんのリクエストだ。 ガラパゴスに行くには、首都キトか港町グアヤキルから飛行機でいくのが一般的である。日本から事前に現地ツアーを予約していた。ここは、必ずガイドが付けることになっていて、個人旅行は認められていない。その点はブータンと同じだ。どのツアーも結構高い。私が選んだのはホッピングタイプ、船に泊まり、毎日異なる島を巡る。さすがは、ガラパゴス、日本とは全 […]

「カンヌ映画祭の実像と4つのトリビア」~映画に関する腑に落ちる話(5)

これから書くことは、カンヌに毎年行っている配給関係者、映画祭関係者にとっては当たり前の話である。そして私が訪れたのは03年、05年~08年の5回にすぎない。すでに、状況が変わっていることも、あるかもしれないという前提で、読んでほしい。また、他の話題よりも、カンヌを優先したのは、「プレゼンのエピソード集」で三浦史子さんのリクエストに応えた結果である。 カンヌ映画祭は、1946年フランス南部コートダジュール、地中海の小さな漁村だったカンヌで始まった。ベネチア映画祭が、ムッソリーニのよって開始されたことに対抗し、自由主義国の映画祭として戦前に準備したが開催できず、46年開始となった。ベルリン、ベネチ […]

「ステッカー収集お気楽日本一周」(4)~八幡神社と「白い鳩」

全国に「八幡神社」「八幡宮」と名乗る神社は、2万5千あると言われる。日本の神社の一大集団である。 その中で、有名なのは、八幡神社の根本社と言われる大分県宇佐市の「宇佐神宮」、京都府八幡市の「石清水八幡宮」、そして鎌倉の「鶴岡八幡宮」である。基本的には、応神天皇を祭神としているが、他の神を併せて祀ることも多い。源氏が武士幕府を開き、信仰したために「戦いの神」と言われ、広がったという説もある。地名にも、八幡市(京都府)、近江八幡市(滋賀県)、八幡浜市(愛媛県)、八幡町(山形県)、北九州市東西八幡区などが残っている。 下の写真は、車に貼っているシールの拡大写真である。デザインは各神社の自由だがパター […]

「私は豪華客船Oasis of the Seasを楽しめない」~世界を感じる事実の断片(2)

まさに、個人的感想である。 マイアミ半島の寄港地、フォートローダーデールを発着し、ハバナ、米領バージン諸島などを廻る7泊8日の船旅に出かけたのは、13年夏だった。以前からカリブ海の島々に訪れたかったというのが参加理由である。そこでは、私の知らない世界が展開されていた。 まず、この船の概要だ。ハバナ船籍、排水量22万トンの世界一大きい客船、地上16階建て、5400人収容し、1500人のスタッフが働く。夏はハリケーンを避け、地中海方面中心だが、冬カリブに戻ってくる。私たち夫婦は、夏1回だけのカリブ海クルーズに参加した。 私たちは1日4万円(2名分)くらいの比較的いい部屋を予約したが、安い部屋なら、 […]

「ステッカー収集お気楽日本一周」(3)~レンタカーとカーナビ

このシリーズは、「ステッカー」を集める人のためにノウハウを提供しているのだが、そんなことをする人はほとんどいないだろう。まあそれでも、何かを始める時に、どんな考えで計画していくかという発想としては、少しは役に立つかもしれない。また同時に、計画したことと実際とでは、異なることが多く現実を見ながら軌道修正していくことに面白味がある。 レンタカーの選び方 私は、可能な限り「タイムズレンタカー」を使う。理由は簡単。休業補償を保険でカバーできるからだ。他社のレンタカー会社では、フルカバー保険であっても休業補償は別と説明される。実に不思議な話である。自走できれば2万円、自走できなければ5万円が相場である。 […]

「ステッカー収集お気楽日本一周」(2)~地図とルート作り

初めは、たまたま神社に行っていただいていた「ステッカー」だが、収集が目的化した時、その収集方法を考えるようになる。何しろ全国である。無駄に廻っていたら、時間とお金の無駄になる。そこで、方法を考えた。 ①2~3週間後で、行ける日程を決め、対象の地域、県を決める。 ② インタネットでその県の自治体ごとにキーワード「神社」で検索する。 ③ 検索結果の中から電話番号のある神社を選び、住所も含めリストアップする。 ④ その表を基に、順番に電話をしていく。結構、時間がかかる。 ⑤ 一度電話に出なければリストから外す。いつもいないと判断する。3割は出ない。 ⑥ 「交通安全ステッカー」は授与品にございますか、 […]

「崔洋一監督との不思議な気楽な縁」~映画に関する腑に落ちる話(4)

全国フィルム・コミッション連絡協議会の副会長は、設立当時から日本映画監督協会理事長にお願いしていた。日本の映画監督に、フィルム・コミッションを理解、協力、支援してほしいと願い、また日本の監督は、実際に製作にも深く関わっていて、撮影環境の改善に大きな役割を果たしてもらいたかったからである。 初代副会長は、深作欣二監督。大阪での第1回総会には、ガン治療中に無理を押して、ご登壇された。その熱意に感激である。打ち合わせの時、「チェリノブイリの近くに俺は行ったが、誰も付いてこない」と皮肉たっぷりの笑みを見せた。すでに死を覚悟されていて、半年後、永眠された。2代目は山田洋二監督で、2年間お世話になった。 […]

「プレゼンテーションでのエピソード集」~~学生の主体性を引き出す方法の模索(2)

授業の中で、自分の体験を基にした「いい話」を話す機会を作った。いくつかは話せるが、いい体験があまりなく、話に乏しい人が多かった。最低でも15件、2週間以内に作っておくこととし、リストアップさせた。その中から適時、時間がある時に指名して話させた。 実は私も学生時代に面白い話はできなかった。だが友人には独特の話術で魅了する人もいた。その差は歴然。どうしたらそうなれるかを考えてきた。つまりは、体験に積極的に関わること、自発的にアクションすることであり、主体性に大いに関係するのである。そして、その体験を筋道立てて、ストーリー構成ができるかである。それで初めて、人を引き付ける話術が可能になる。そのための […]