Blog世界を感じる事実の断片

「怪しいガラパゴスと麗しいイグアナ」~世界を感じる事実の断片(3)

12年夏、チリ・アントファガスタ大学との連携協定打ち合わせに行ったついでに、イースター島、ペルー、エクアドル、ガラパゴス諸島を廻った。今回は、その行程の中の、エクアドルのグアヤキルとガラパゴスについて書く。「プレゼン・エピソード集」へのホンダさんのリクエストだ。

ガラパゴスに行くには、首都キトか港町グアヤキルから飛行機でいくのが一般的である。日本から事前に現地ツアーを予約していた。ここは、必ずガイドが付けることになっていて、個人旅行は認められていない。その点はブータンと同じだ。どのツアーも結構高い。私が選んだのはホッピングタイプ、船に泊まり、毎日異なる島を巡る。さすがは、ガラパゴス、日本とは全く違う鳥や動物に魅了された。しかし、少し変かなと思うことがあった。ガラパゴスは自然の生態系を維持しているとアピールしているが、本当なのだろうか、疑問が湧いた。いつも疑り深い私の思い込みかもしれないが、皆さんはどう思うだろうか。

 

1、怪しいガラパゴス

ガラパゴス諸島は、結構広く島が点在している。たとえば午前中、船から島に上陸して自然観察した後、船内でランチをとり、午後シュノーケルをする。夕食をとっている時に船が動きだし、翌朝別の島の近くに停泊しているという感じだ。ツアー参加者は15人ほどで、自然にスペイン語圏とそれ以外の言語圏のグループに分かれる。初め私と妻のいるグループは、オランダの母と娘、関係ありそうな若い男、カナダの弁護士夫婦だった。このまま、同じメンバーかと思いきや、ある朝食の時に知らない中国の初老の男が座っていた。香港人で南米を3ヶ月旅しているという。風貌はいかにも「怪しい中国人」で、昨晩どっかの港からゴムボートで来たという。パッケージだと思っていたら、そんなことできるんだ。その後、若い男が下船したが、翌日筋肉隆々のウクライナ男が乗り込んできた。食事でも何もしゃべらない。妻は、「絶対スパイだ」という。入り江でシュノーケルをしている時でも、何の器具を付けず、力強く泳いでいた。この人、何をしに来ているのか。「やっぱりスパイかも」

 

 

毎日、違う島に行く。そこには、特有の生物が生きているが、何か「怪しい」ことがあった。

(その1)1頭しかいないペンギン島

ある日、宿泊しているクルーザーからゴムボートに乗り、ペンギン島に行くという。小さな島に近づいていくと、岸辺に1頭、ペンギンが佇んでいる。何をするでもなく、ただ立っている。この島には上陸することなく、漂うゴムボートからペンギンを見る。それだけでクルーザーに戻った。何か変ではないか。大体ペンギンは1頭だけで生きているのか。波打ち際になぜ1頭だけ、ポツンと立っているのか。このペンギンが、島の中に歩いていってしまったら、ボートから見えない。いることを前提に、ボートで見に行ったということだ。そこにいるように仕組まれているのだろうか。

(その2)5羽しかいないフランミンゴ

ゴムボートで別の島に行く。降りて少し歩くと、少し大きめの池があり、向こう岸の淵に、5羽のフランミンゴがいた。適当に離れて、水中にくちばしをいれ、エサを食べている。私はよく動物園に行くが、フラミンゴはそう珍しくない。10羽、20羽は、普通に飼われている。ここの5羽はどうなのか。フラミンゴは飛べるが、いつもここにいるのか。自然に住んでいるのなら、少なすぎないか。繁殖しないのか。それとも、観光客のために羽を切って飼われているのか。

 

(その3)魚をもてあそぶアシカ

また別の小島に上陸する。少し歩いて振り返ると、波打ち際に数頭のアシカがいる。その内の1頭が、何やら魚のようなものを口で投げ、それを口で受け取るという仕草を繰り返している。これは何だ? ツアー客は面白がって、写真を撮る。私には、仕込まれたアシカのショーに見えたが、どうだろう。アシカは多くの島にたくさん自生していて、珍しくない。いるだけでは特に気にかけないが、芸をするアシカなら珍しい。誰かが仕組んだ観光客への配慮のように思える。

 

2、麗しいイグアナ

ガラパゴス諸島は、イグアナの楽天である。海際には、小さくて真黒な海イグアナがいる。大体30cm~50cmで、岩の上で日向ぼっこをしている。陸上には、小さいものから1メーターを超える大きさの陸イグアナがいる。初めのうちは、何となく怖そうなイメージもあったが、だんだんかわいいと思うようになった。行きと帰りにグアヤキルで1泊ずつ宿泊したが、ホテルの前に通称「イグアナ公園」があった。そこには、30cmから1mまでの陸イグアナがぐじゃぐじゃいた。

彼らは普通、木の上にいる。中国人観光客のグループがそれを見上げて、写真を撮っていたが、多量のおしっこをかけられて悲鳴を上げていた。エサの時間になると下に降りてくる。その仕草がかわいい。爪がそれほど鋭くないらしく、降りる時滑って落ちるものもいる。のそのそと歩いてきて、たまに頭を上下に振る。挨拶なのか、威嚇なのか。エサは、キャベツだ。係りのおじさんは、茎のところを取って葉っぱだけにしてあげていた。

無臭である。草食である。その公園には、猫の親子も住んでいて、共生している。いつか自宅の庭にイグアナを飼うことが今の夢である。

2 comment
  1. なるほどー、あやしいですね。今やどこも管理体制…ってかんじがしますね。そういえばガーナに行ったとき、同じようなことがありました。たしかナショナルパークの自然観測ツアーに参加したとき、さいごのほうでゾウが不自然に1頭だけいました。あのゾウは餌付けされているというウワサでした(在住の日本人に聞きました)。

  2.  前澤先生もグアヤキルのイグアナ公園に行かれたんですね! 小生も2015年6月に訪問し、イグアナのオシッコにもう少しでやられるところでした!  その時のエサはキャベツでなくバナナでしたが、おじさんにエサを分けてもらい、エサやりさせてもらいました。 先生のブログにも出てきた中国人ですが、グアヤキルあたりでも町中に中華料理屋さんがあり、川辺の観光スポットで、若い中国人が中華バーを経営していたのを見て、本当にたくましい人種だな~、グローバルということでは日本人はまだまだだな~なんて感じた事を思い出します。 数少ないグアヤキル訪問者としてコメントさせていただきました!

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