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自分のことは自分で整理する(5)~山梨での地域プロジェクト、文科省採択事業、主な14件の概要(2005年~2015年)

05年4月、山梨県立大学で教員になってから、学生と共に多くの地域プロジェクトを開始した。ほとんどは自分のオリジナルプロジェクトである。大体は、現状で行われている内容と方法の限界を感じたところから始まっている。目的を明確化させ、具体的な獲得目標に基づいて計画したものであると自負している。(上の写真はYDP出発風景)

<地域プロジェクトプロデュース>
    
05年11月~2011年2月「やまなし・ディスカバラー・プロジェクト」
毎年GWや休日を利用して、車5台で学生と共に県内27全自治体の「ロケ適地」のフィールド調査し、「富士の国やまなしFC」にデータ提供した。収録データは4000件に上る。
一般的にフィルム・コミッションは自治体の観光課や観光協会に設置されることが多い。そこには「観光写真」はあるが、ロケ撮影に適した写真ストックはない。それらのデータを集めるため、活動開始した。
学生にとっては、県内を独自の視点で見て回るという経験は、楽しく地域を知ることになる。08年6月には、全国33局ネットで放送する「発見!人間力」(30分番組)でこの活動が取り上げられた。
05年笛吹市
06年南アルプス市、早川町、中央市
07年昭和町、甲州市、丹波山村、小菅村、富士川町(増穂町・鰍沢町)、市川三郷町、身延町、甲府市
08年甲府市南部(旧上九一色村)韮崎市、甲州市、忍野村、山中湖町、道志村、富士吉田市
09年山梨市、富士河口湖町、鳴沢村、西桂町、都留市
10年南部町、大月市、上野原市、
11年北杜市

06年3月~07年3月「桜座で車座」計12回実施 甲府市「桜座」会場を会場として、映画関係者を月1回招へいし、3時間のトークショーを実施した。さらに2時間の2次会もした。
会場の「桜座」は、元は工場だったが、「クリスタル・ギャラリー」や「甲州夢小路」を経営する丹沢良治氏が市内中心部活性化のために浄財を投じて改修したものである。
ここのディレクターは、田中泯氏である。世界的に舞踏家で知られているが、山梨の白州町に住みつき、「身体気象研究所」を開設した。農業をしながら舞踏をする拠点である。今は、舞踏よりも俳優として大活躍である。
運営責任者は龍野さん夫妻で、ジャズライブの先駆けである「新宿ブルーノート」支配人だった。
ゲストは「確信犯の映画人」とし、全員ノーギャラである。このイベントの目的は、山梨県内でこうした映画映像に関心のある人を探すことにあった。しかし、東京なら満席になるようなゲストでも、甲府ではあまり集まらないことがよく分かった。
06年3月7日若松孝二(映画監督)
4月18日小松沢陽一(映画祭プロデューサー)
5月30日福寿祁久雄(映画興行師)
6月27日古澤敏文(映画・映画塾プロデューサー)
7月25日相原裕美(国際共同製作プロデューサー)
9月7日ミドリ・モール(米国エンタメ弁護士)
10月5日田中まこ(神戸フィルムオフィス代表)
11月9日浜野佐知(女性映画監督)
12月13日高間賢治(撮影監督)
07年2月23日堀田泰寛(キャメラマン)
3月31日寺脇 研(映画評論家)

06年~09年「地域プロデューサー養成講座」地域活動を進めるプロデューサー養成のためのプログラムを7回自主開催
多くの大学で、「生涯学習講座」と開設している。この大半はいわゆる「教養講座」である。大学教員が専門分野を分かりやすく講義するものである。しかし、その在り方には疑問を持っていた。生活の知恵や知的好奇心を満たすという意味では、意義はあるが、それ以上のものではない。ここから活動は生まれない。地域に貢献する公立大学であろうとするならば、地域活動に役立つ基本メソッドを共有する講座が必要だと思い、プログラムを計画し、実施した。
1回あたり15時間の講座である。200人以上の人が受講し、その中からNPO設立に向かった人も自治体の地域振興リーダーになった人も多い。
06年6月~12月大学サテライト教室で夜間10回開催
07年6月9日~10日忍野村
07年6月23日~24日山梨市
07年9月29日~30日増穂町
08年9月27日~28日南アルプス市・地域活動センター
08年12月20日~21日大月市・大月市民会館
09年2月20日 大学サテライト教室で全日10:00~19:30実施

05年~11年「やまなし映画祭」
05年開始された同映画祭には、毎回関わりを持ってきた。第1回は、自主製作作品のエキストラ、その後シナリオコンクールの審査委員などを頼まれ、いつしか実行委員会委員となった。
08年は、少し予算をいただいて、提携企画を実施した。
10月27日「キネマ旬報映画検定模擬クイズ@甲府」開催
11月3日~4日「24時間映画祭@山梨」誘致
11月3日スペシャルセミナー「地域活性化のための映画祭の成功モデル」モデレーター
09年から、市の補助金300万円から100万円に減額され、風前のともしびと報道された。そんな状況で、予算がなくても、映画祭らしい映画祭を見せてあげようと思い、10年「やまなし映画祭」の事務局を大学に置き、企画・運営・事務局を行った。実行委員長に当時の伊藤洋学長にお願いした。私は事務局長となり、大学スタッフが運営する珍しい映画祭となった。
「第6回映画祭」は、若松孝二監督「キャタピラ」などを含むラインナップで11年3月18日~20日、26日実施予定だったが、地震のために日程の見えない「計画停電」のため、中止となった。
翌年度改めて「第7回映画祭」の実行委員会を立ち上げると共に、企画組織「やまなし映画夢人」6月発足させた。崔洋一監督も手弁当で駆けつけてくれた。プロモーション活動も甲府駅北口、オリオンスクエアなどで積極的に行った。そして本番10月23日、11月19日、20日岡島ローヤル会館で開催し、入場者は900名を超えた。
ここで初公開されたドキュメンタリー映画「きょうを守る」は、マスコミの注目を浴び、多くの団体などから上映依頼が殺到した。11~16年上映支援活動を行い。全国60か所で上映、観客6000人以上となった。
また、NHK国際放送を米国で見ていたパデュー大学の畑佐一味教授の尽力で、英語字幕版が完成、名国内大学20か所以上で上映された。

 

08年「多文化共生キーパーソン育成研修会」から「多言語放送・HELLO! TAGENGO」へ
ある日、県を通じた予算で「多文化共生」の事業を依頼された。それが「多文化共生キーパーソン育成研修会」である。
1回の研修会で何とかなるわけない。アリバイ工作的な仕事が嫌いな私は、概念である「多文化共生」の一事業として、多言語放送を実現させた。まずは、1月12日映画「サルサとチャンプルー」の上映と波多野哲朗監督との懇話会を行い、県内在住外国人との交流を始めた。そこで、放送に対する意欲を確認して、早速2月3日「外国語放送プロジェクト」計画会議を持った。
在住外国人の使用言語多数順に週1回、ポルトガル語、中国語、韓国語、スペイン語で番組制作した。
日程調整が難しいため生放送は諦め、学内に簡易録音スタジオを作り、録音と音楽をパソコンで編集、CDに焼いて、FM甲府に持ち込んだ。
08年10月「外国語放送 ハロー多言語」週1回放送開始
以来2年6ヶ月 毎月1回ずつ4ヶ国の外国語番組をFM甲府で放送。全120回放送。
第1週・第2週番組制作 毎月第3日曜日に収録・編集
第3週・第4週番組制作 毎月第1日曜日に収録・編集

 
「観光講座」
県からの依頼で、インバウンド観光についての講座企画依頼があった。又聞きで「何かお客さんがいっぱい来る」のがいいとのこと。そんな意味不明の企画などお断りと答えた。何が狙いなのか、県の担当者から直接聞くことにした。予算は90万円、タレント相場でアグネス・チャンか、マリー・クリスティーヌ当たりで検討していたという。益々意味が分からない。唖然としながらも、「私のやりたいようにできるならやります」と引き受けた。
08年1月27日「国際観光特別講座」である。山梨県はいつも富士山に頼っている。その皮肉を込めて、タイトルは「富士山に頼らない国際観光」とした。既知の元立教大学観光学部教授で観光学会重鎮の溝尾良隆氏に相談し、当時JTB会長、日本ツーリズム産業団体連合会舩山龍二会長を紹介してもらった。氏は日本のインバウンド観光のオピニオンリーダーである。
また、当時日本国際観光振興会の予算の10倍の予算で活動していた韓国観光公社から東京支社長などを招き、2つの基調講演を作った。さらに溝尾氏と躍進めざましい富士河口湖町の渡邉課長を含めて、シンポジウム開催した。
翌年度からは、具体的分野で知恵のある方々を招き、4回開催の「観光講座」を4年間開催した。
09年「成功の秘密・現場の知恵」をテーマに実施。
1月10日「白馬からHAKUBAへ」長野県白馬村 前村長
2月10日「映画誘致で街づくり」山形県鶴岡市「庄内映画村」社長
3月10日「旅館再生と地域再生」福島県会津若松市「くつろぎ宿」社長
09年「プロフェッショナルが語る『観光の本質』」
11月7日「映画・映像からの視点」映画監督 崔洋一氏
11月14日「音楽・放送からの視点」ブロードキャスター ピーター・バラカン氏
11月23日「アートからの視点」アートディレクター 北川フラム氏
11月28日「出版・情報からの視点」出版編集者 藤岡比左志氏
10年「観光関連ビジネス講座」
10月16日 萌木の村 村長 舩木上次氏 「常に良質なものにこだわり、お客様に愛される村をどう作ってきたか?」
10月23日 株式会社タンザワ 社長 丹沢良治氏 「全国の観光地を知り尽くして、今山梨で何をしようとしているか?」
2月19日 株式会社桔梗屋グループ オーナー 中丸眞治氏 山梨にこだわり続け、どうやって日本を代表するおみやげにできたのか?
2月26日 JR東日本(株) 地域活性化部門 部長 鎌田由美子氏『エキナカ』をヒットさせ、今度は地域活性化ビジネスで何をするのか?
11年「ニューツーリズム」
6月11日「ワインツーリズム」笹本貴之(ソフトツーリズム株式会社社長)06年、「ワインツーリズム山梨」を事業化して地域づくりに本格着手 。
6月18日「フィルムツーリズム」前澤哲爾(元全国FC連絡協議会専務理事)00年、日本にフィルムコミッションを導入し、01年全国組織を立ち上げる。
7月2日「グリーンツーリズム」曽根原久司(NPOえがおつなげて代表理事)01年、農林業をしながら"村・人・時代づくり"をコンセプトにNPOを設立。
7月9日「フットパスツ-リズム」山本育夫(NPOつなぐ理事長)03 年、NPO 設立し、各種ツアーづくりと、ガイドブックづくりを行う。

 
「忍野 水と環境の村づくり」プロジェクト
「地域プロデューサー養成講座」の修了生を中心に、まち地づくりのNPOが発足、同時に忍野村との関係が深まった。
08年6月1日学生15人と桂川河川清掃および地域ミーティング、09年3月10日包括連携協定締結、さらに「希少生物ほとけどじょう」の保存などのプロジェクトも開始された。

 
大学コンソーシアムやまなしは、県内11大学が参加して組織された。設立当初から何かと呼び出され、高大連携事業などの企画などに関わった。
その中で「都市リテラシー講座」では、モデレーターを4回務めた。
09年11月5日「桜座の可能性」桜座
09年11月12日「ワインツーリズムの可能性」
10年1月14日「甲府駅北口再開発計画」県生涯学習センター
10年1月24日「原点から振り返る都市の課題」甲府商工会議所

 
10年に大学が公立大学法人となり、これを機に地域研究交流センター長に就任した。真っ先にすべきことを「大学のブランディング」と定め、様々な広報活動を開始した。
まずは、学長と県知事との公開ディスカッションである。「FPUサミット」と名付けた。10月には、3人の起業家を招き、若者を刺激した。さらに、大学キャラクターの製作と活動、広報誌の発行などを学生と開始、活動は今も続いている。
「FPU SUMMITS」 プロデュース
10年5月8日「知事VS学長 地域における大学の力」講堂で実施
1月8日「若者よ 起業を目指せ」講堂で実施 山梨日立建機社長 雨宮清氏、サラダボウル社長 田中進氏、レアジョブ社長 加藤智久氏
10年「ブランディング・プロジェクト」
キャンパスキャラクタープロジェクト「やまちゃん」 公募・決定、着ぐるみ制作、ビデオ番組制作、学内及び甲府各地に出動
大学広報誌「Souffle(スフル)」の編集・発行  毎年1回3月に1万部発行 スタッフは全員学生ボランティア。

 
12年「フットパスaround 県立大」 県大から1km以内の地域を取材し、紹介文とイラストを作成し、ガイドブックを出版。スタッフは全員学生。

 
12年~15年「農家民泊プロジェクト」山梨県における農家民泊の普及・啓発活動。学生20人と共に、県内外の調査活動、意見交換、体験宿泊などをおこなった。
2014年2月27日「農家民泊やまなしフォーラム」を開催。飯田市、大田原市、甲州市、道志村から民泊経営者を招き、舞台上では応接セットで対談。ロビーではご当地家庭料理の試食会を開くなど立体的なフォーラムを開催した。

 
<文部科学省採択事業プロデュース>

07年~09年学び直しニーズ「インバウンド観光教育プログラム」を大学コンソーシアムで採択責任者
07年第1期プログラム策定及び講師
08年第2期プログラム策定及び講師
09年第3期プログラム策定及び講師

 

10年~12年教育GP「問題解決型サービス・ラーニングによる新公立大学モデル」中心メンバー
10年全体の「実施ガイドライン」「評価シート」作成。
11年、12年「大学キャラクタープロジェクト」、「フットパスaround県大」、「やまなし映画祭」、「放送文化論実践」をサービスラーニングとして位置付け実施した。

 

10年~11年科研費・挑戦的萌芽研究「映画鑑賞が高齢者に与える脳活性化の効果研究」研究責任者
3回にわたり、甲府市「武蔵野シネマ5」を借り切り、70歳台男女40名に「青い山脈」(吉永小百合主演)を見ながら、唾液、血圧、脳波を測定した。

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