Blog学生の主体性を引き出す方法の模索

発想力・企画力アップのための「創造学夜塾」~学生の主体性を引き出す方法の模索(3)

この夜塾は、大学で通常授業とは別に、18時30分から2時間、4夜連続で実施した学生のためのワークショップである。1年、2年の希望者を募集し、定員12人とした。私は以前から、学生の発想力に不足を感じることが多かった。「学生の新鮮なアイディア募集」といったイベントが行われても、ほとんど「新鮮」なものは出てこない。常識にとらわれていて、独自の発想を持ち合わせていないという印象を強く持った。そこで、新しい発想を生むための訓練のようなワークショップを思い立った。以下に、その中から「多面的発想」の2つのプログラムを紹介するものである。

WSの冒頭でまず、全員に異なる帽子やウィッグを配布した。そして、その名前で呼び合うようにした。自分の名前を捨て、「パナマ」「ゲバラ」「ウズベク」という感じだ。これは、この時間が少しでも日常から離れるように感じられるためである。

1、多面的価値の発見

日頃当たり前にしか認識していないものでも、よく考えると様々な発想が生まれてくる。

設問は、「ライターの使い道」を考えるである。ただし、たばこや紙、ろうそくなどに火を付ける、何かを燃やすという答え以外とする。10個以上の答を記入するように要求する。その後、全員に発表してもらう、前の人と答えがダブっていれば省略し、異なる答が列挙される。意表を突く答などに出会って、発想の豊かさに感動することになる。また、それができる人は、ものを多面的に見ている人であることもわかる。

ライターの後、同様に「腕時計の意味」、「トイレットペーパーの価値」も続いて可能である。このプログラムは、とりあえず少し頭を柔らかくするアイスブレイクとして活用してほしい。皆さんもさらに新しい設問を考え、やってみたら面白い。

「ものに火を付ける以外でライターの使い道を10個考えなさい。  

回答サンプル(実際に回答があったものから抜粋)

性質を調べる(絹か人絹か、金属かプラか)、70mmのスケールで長さを測る、特別の用途(紐を切る、栓抜き、解凍、接着、防虫、消毒、おもり)、ネクタイのケバケバを焼く、ナンバーズを削る、武器(握る、威嚇、イジメ・ヤキイレ)、広告媒体、燃料、上下を知る、水平を知る、風向きを知る、カタカナを4文字覚えられる、炎の美しさを知る、いざという時(明かり、居場所を知らせる、モールス信号、酸素の確認、熱源)

 

2、多面的関係性の発見(ねつ造)

全く無関係の言葉をどう関係づけるか、を考えることがテーマである。私はアイディアや企画の原点は、「異質なもののぶつかり合い」だと思っている。オリジナルの発想というのは、ほとんどない。多くの場合、あるもののちょっとした変質、変化を新鮮に感じる。いわば「笑点」のお題のようであるが、通常使っていない脳を活性化させる。正しい答えはない。いかにごまかすか、いかに笑いをとるか、で結構である。

 

設問は、「AはBである」あるいは「BはAである」。その理由を述べてください。
グループに、Aを振り分け、後にBをランダムに与える。

<A群>       <B群>
民主主義       1、瓢箪
高速道路       2、ゴマ
環境破壊       3、カレー
プロデューサー    4、くじら
観光産業       5、粘土
安倍首相       6、茶室
特急あずさ      7、キーホルダー
山梨県        8、のれん

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