「プレゼンテーションでのエピソード集」~~学生の主体性を引き出す方法の模索(2)

授業の中で、自分の体験を基にした「いい話」を話す機会を作った。いくつかは話せるが、いい体験があまりなく、話に乏しい人が多かった。最低でも15件、2週間以内に作っておくこととし、リストアップさせた。その中から適時、時間がある時に指名して話させた。 実は私も学生時代に面白い話はできなかった。だが友人には独特の話術で魅了する人もいた。その差は歴然。どうしたらそうなれるかを考えてきた。つまりは、体験に積極的に関わること、自発的にアクションすることであり、主体性に大いに関係するのである。そして、その体験を筋道立てて、ストーリー構成ができるかである。それで初めて、人を引き付ける話術が可能になる。そのための […]

「プレゼンテーション授業で学生を変える」~学生の主体性を引き出す方法の模索(1)

今回からまたまた新シリーズを始める。私が大学でどんな授業を展開し、どんな課外活動をしてきたか。学生が成長するのは、自ら率先して学習しようとする主体性が必要である。その主体性をいかに引き出せるかが鍵だと思う。さて、それはできたのか、自分なりに検証したい。何かの参考になれば、幸いである。 山梨県立大学での教養科目で「プレゼンテーション」を12年間教えていた。これは開学と同時に私が開講した授業で、1年生から受講できる。一般的に高校までの教育では、自分の意見を人前できちんと伝えることを教えない。学生は、一様に「人前で話すのは苦手だ」という。その苦手意識を払拭し、人前で楽しく的確に話せるように、授業を展 […]

「黒澤明監督と仕事ができた幸運」~映画に関する腑に落ちる話(3)

86年から96年まで、私はソニーPCL(株)でハイビジョン推進を担当していた。ソニーはメーカーとしてハイビジョン機器を開発し、私はその最新機器を活用してソフト制作の可能性を模索する役回りだった。その中で映画でのハイビジョン合成を積極的に推進した。 現在では、デジタル技術でどんな画面合成でも最高のクオリティで可能だが、当時はブルーバックによるクロマキー合成をハイビジョン撮影で行い、フィルムに戻す方法が画期的なことであった。それまでのフィルムでの合成は、オプチカル合成と言い、8段階のプロセスを踏み、労力がかかり、かつバレバレの画面しか得られなかった。 最も早くこの技術を使用した作品は、実相寺昭雄監 […]